ドッグフードを選ぶ時、パッケージの原材料欄を見ますよね。
出来るだけ添加物の少ない安全なフードをと思うのはどの飼い主さんも同じです。
でも合成ミネラルや合成ビタミンその他よく分からない化学名が並んでいて、これは果たして安全なのかどうか有識者じゃない限りよく分からないと思いませんか?
そこで今日は市販されているドッグフードでよく目にするよく分からない物質名の役割と安全性について表にしてみましたので参考になさってみて下さい。
規定量守れば安全な添加物
添加物名 | 役割 | 使用の目的 |
デヒドロ酢酸ナトリウム | 防腐剤 | 保存期間を延ばすために使用されている |
エリソルビン酸ナトリウム | 酸化防止剤 | 食品の色や風味を保つ効果がある |
トリポリリン酸塩(STPP) | 保水性の向上 | 乾燥を防ぎ柔らかさや風味を保持する効果がある |
硫酸亜鉛 | 亜鉛補給の栄養補助剤 | 亜鉛は必須栄養素で過剰摂取でない限り安全。 |
リン酸Ca | カルシウムとリンの供給源 | リンはエネルギー代謝やDNAの構造に関与 |
ソルビン酸 | 防腐剤 | カビや酵母の成長を抑える効果がある |
アルギン酸エステル | 増粘安定剤 | 天然海藻由来で安定剤や糊料として使用 |
ソルビトール | 保湿剤 | 湿気を保持させ乾燥を防ぐ効果がある |
アスコルビン酸Na | 酸化防止剤 | 変色、風味の劣化を防ぐビタミンCと同じ作用がある |
安全性に疑問がある危険な合成添加物
合成添加物 | 用途 | 理由 |
BHA | 酸化防止剤 | 安価であり、少量で非常に優れた酸化防止効果を持つ。人間用の食品では魚介品や油脂、バターに利用が認められており、ペットフードにはよく利用されている。ラットの前胃に発癌性があることが報告されたが限定的な現象であるとされている。また、内分泌撹乱作用が報告されている。 |
BHT | 酸化防止剤 | BHAに類似した化合物で用途はほぼ同じ。安定性に優れており他の酸化防止剤と混合して使用されることが多い。
妊娠マウスに投与すると、子供マウスに発育障害が発生することが報告されている。 |
エトキシキン | 酸化防止剤 | 海外では酸化防止剤として、香辛料や魚粉動物飼料に用いられており、日本では飼料添加物と農薬に使用が認められている。
犬において肝臓毒性や過剰な涙流、脱水などの症状が報告されている。2014年に食品衛生法において食品における1日摂取許容量が引き下げられたがペットフードの基準は高いままである。 |
亜硝酸ナトリウム | 発色剤 | ペットフードでも、オヤツ用のソーセージや缶詰などに添加されていることがある。安定した食肉の色を保持し風味を改善する効果の他、ポツリヌス菌をはじめとして多糖類の細菌の生育を抑え食肉製品の腐敗を防止する働きを持つ。胃のなかで肉などに含まれるアミンと反応し発癌性のあるニトロソアミンを生成する恐れがあることが指摘されている。ペットフード安全法では100μg/g以下と定められている。 |
プロピレングリコール | 保湿剤 | カビや細菌に対して静菌作用があるため防腐剤として使用される他、保湿性、湿潤性を持つことからセミモイストフードに用いられている。人間用の食品では生麺やイカくん製品、またシャンプーや化粧品にも用いられている。
猫では赤血球にハインツ小体を生じさせ溶血清貧血を起こす。そのためペットフード安全法において猫用フードへのプロピレングリコールの使用は禁止されている。 |
赤色○号、黄色○号、青色○号、緑色○号 | 着色料 | 日本では12種の使用が認められ菓子、漬物、魚介加工品、畜産加工品に使用されている。1948年の食品衛生法施行時には22種類のタール系色素が掲げられていたが、発癌性などの毒性を持つ恐れがあり、徐々に削減されて現在に至る
日本で現在認可されているタール系色素の中には発癌性やアレルギーの原因になることが指摘され米国や欧州で使用禁止になっているものがある。 |
まとめ
現在は昔ほど粗悪なフードは減ってはきていますが、日本ではいまだにペットフードは食品の分類ではなく飼料扱いです。
だから食品のような厳しい規定がありません。
人もペットも食べ物が体を作っているのですから、愛犬には安全で質の良いフードを選んであげたいと思います。
多くのドッグフードのパッケージを見ると、栄養素はほぼ食材からで合成ミネラルやビタミンさえも添加されていない質の良いフードがある一方で、食材はわずか数種類、合成ミネラルや合成ビタミン、そして防腐剤や着色料などの添加物の多いフードもあります。
どちらが体に良いかは一目瞭然です。
過度に神経質になる必要はありませんが、安心安全なフードを見極めるためにぜひ参考に
なさってみて下さい。