ストレスが病気を作ってる?今日から始める愛犬のストレスケア

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「ストレス」というと、私たち人間社会の問題と思われがちですが、実際、人だけでなく犬や猫もストレスによって体調不良になることがあります。

そして重篤な病気につながることも少なくありません。

ホリスティックケアの考えでは、体・心・感情この3つのバランスが取れている状態こそ本当の意味での健康と考えています

犬のストレスに対して適切に対処してあげるストレスケアは食事と同じぐらい重要なこと。

今日はそんな「ストレス」のお話です。

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ストレス

人や犬猫などは、生体のホメオスタシス(恒常性)という性質のおかげで、外部環境や精神的な緊張によって乱された体内の変化を元の正常な状態に戻すことができます。

この時生体内に起こる変化や変化に対応する反応、そして変化を元に戻そうとする反応などを総称して「ストレス」と呼んでいます。

ストレスの原因となる刺激は「ストレッサー」と呼ばれ、物理的・化学的・生理的・心理的なものなどがあり

その主な要因として

◊物理的ストレッサー:厚さ・寒さ・騒音など

◊化学的ストレッサー:薬物・タバコ・大気汚染・添加物など

◊生理的ストレッサー:ウィルスや細菌による感染や炎症・出血による血圧低下や病気や怪我などの刺激

◊心理的ストレッサー:恐怖・不安・不満・葛藤など

が含まれます。

ストレッサーに対する身体の反応

ストレスがかかった場合の身体の反応とは、どのようなものでしょうか。

ストレッサーによる刺激は、身体の各器官から神経などを介して脳に伝えられます。

ストレッサーが身体にすぐに影響を与えるものや緊張性があるものの場合は、脳幹から視床下部に刺激が伝えられます。

緊張性がないものや将来的に身体に影響を与える可能性のあるものは、大脳皮質や視床に伝わり情報処理された上で大脳辺緑系に伝達されます。

大脳辺緑系は情動・本能的欲求・意欲・記憶・自律神経活動などを司っており、そこで更に処理された情報が視床下部に伝えられるのですが、どのストレス情報も最終的には視床下部に伝わり、そこから自律神経系内分泌系という2つの経路を介してストレス反応が全身で起こります。

体内で起こるストレス反応だけでなく、それに応じて様々なストレス関連行動も起こります。

また、ある刺激に対してどのような(またはどの程度の)ストレス反応やストレス関連行動が起こるかは個体差がありますので一概ではありません。

では、もう少し詳しくみていきますね。

ストレスと自律神経系

人と同じように、犬の全身にはたくさんの神経が張り巡らされています。

その神経の中に自分の意思とは無関係に働く自律神経があり、「交感神経」と「副交感神経」に分けられます

交感神経が働くと身体は活動、興奮、緊張状態になり、逆に副交感神経が働くと身体は休息、リラックス状態になることは皆さんご存知の通りです。

交感神経と副交感神経は、両方が同時に働くことはありません。

また、一方が身体の器官の働きを活性化させ、他方はその器官の働きを抑制する働きをします。

例えば、交感神経が働くと心拍数が早くなり、副交感神経が働くと心拍数が遅くなります。

消化活動においては副交感神経が優位になると、胃液、膵液などの分泌が活発になり、交感神経が優位になると分泌を抑えます。このように交感神経と副交感神経の双方がうまくバランスを取り調整することによって、身体の様々な機能が円滑に働くのです。

 

外敵との争いのような緊張事態のストレッサー(刺激)や状況に直面すると、それが脳に伝えられ視床下部からの信号で交感神経が優位に働きます。

交感神経を介して副腎髄質に信号が伝わると、そこからアドレナリンが分泌され体内の各器官に働きかけて心拍数や血圧の増加、瞳孔の拡大、筋肉の収縮力の増強、血糖値の上昇など、戦ったり逃げたりする準備が行われます。

すぐ目の前にある危機に対応するためには、身体は即時に反応して臨戦態勢を整えなくてはなりません。

交感神経は身体の防御システムの最前線で働く機能なのです。

しかし、過度または長期的なストレスが原因で、交感神経だけが優位に働きすぎると、相対的に副交感神経の働きが弱くなってしまいます。

双方がうまくバランスを取りながら活動的になったりリラックスできたりしていたものが、そのバランスが崩れることで過度に興奮したり緊張で疲労がひどくなったり、リラックスできずに不眠になったりします。

ひいては自律神経失調症や心身症、血行障害などの心理的・身体的に病的な状態につながることも…。

ストレスと内分泌系

ストレス情報が視床下部に伝達されると、内分泌系を介した反応も起こります。

まずは視床下部から数種類のホルモンが血液中に分泌されます。

そのうちのいくつかの特定のホルモンが血流に乗って脳下垂体に到達することで、脳下垂体から数種類の器官を刺激するホルモンが放出されます。

その刺激ホルモンが血流に乗って副腎皮質・甲状腺・膵臓など数種類の器官に到達すると、各器官から様々な働きを持つ各種ホルモンが分泌されます。

これらのホルモンはいずれも、身体の代謝を円滑にして全身がうまく活動できるように調整するためのもので、 ホルモンの中でストレス反応の際に特に重要なのが、副腎皮質から分泌されるコルチゾールというホルモンです。

コルチゾールには、肝臓で糖新生を促進し血糖値を上げたり、脂肪、タンパク質などの代謝を促進して身体に必要なエネルギーを生み出したりする働きがあります。

この他に抗炎症作用、免疫抑制作用、血圧上昇作用などもあり、長期的なストレスにも身体が耐えられるようになります

けれど、ストレスが強すぎる場合や、継続的にストレスが加えられる状態になると、ホルモンが分泌され続け最終的に内分泌系による調節機能が正常に働かなくなる場合があるのです。

その結果、ホルモンの分泌が過剰になったり、過剰に分泌されすぎて生産が追いつかなくなったりして、不足してしまうこともあり、こういったことで様々な病気が引き起こされてしまうのではないかと考えられているのです。

ちょっと長くなりましたね

では次に犬のストレスにはどんなものがあるかその原因を見ていきましょう。

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犬のストレスの原因

犬のストレスは、大抵それぞれのニーズ(生きるために必要なもの)が満たされないことが原因で生まれます。

そのニーズには次のようなものがあります。

・生命及び身体の安全、危険の回避
・飲食物、水分の確保
・適切な健康管理
・快適かつ安心できる生活空間:特にテリトリーにできる場所が必要
・十分な睡眠と休息
・十分な運動と捕食行動を真似た遊び:ただフードを与えられるだけでは満足できない
・探索活動:自分の身の回りやテリトリーの状況を把握する、散歩やパトロールなど
・社会的活動:他の犬との接触、集団への所属
このようなニーズが満たされない状態、例えば、
・自分の身に何かしら危機や脅威が迫っている、または直面している(外敵に襲われている、暴力を振るわれている、精神的に追い詰められているなど)
・十分な食べ物や飲み水が無い
・厚すぎたり寒すぎたりする
・ケガや病気をしている
・安心して十分に休んだり眠ったりすることができない
・運動不足である、捕食行動を真似た行動(遊び)が十分でない
・見知らぬものがテリトリーに侵入している(自分のプライバシーが脅かされている)
・孤独である
・仲の悪い同居動物と一緒に生活している
などといった状況に置かれると、恐怖、不安、不満、葛藤、痛み、不快などが生じてストレスを感じます
特に猫は犬に比べて環境の変化に大変弱いので、猫を飼っている方は家具の移動や引越しなどある場合できるだけストレスがかからないようにしてあげることが大切ですね。
上記の項目が一つでも当てはまったら犬は少なからず何らかのストレスを感じていることになりますが、犬にストレスがかかっているかいないかをどうやって見分けたらいいのでしょう
それには彼らが発するストレスのサインを読み取ることが必要です。
犬や猫もそうですが、彼らは様々な方法でコミニュケーションを行い気持ちを伝えます。
ストレスがかかっているときには、何らかのサインを示して相手に気持ちを伝えていると考えられていて次のようなサインがあります。

犬や猫が出すストレスサイン

 視覚(表情、姿勢や動作など、ボディランゲージ)によるサイン 

・口:開き具合や緊張の度合い(緊張して口角に力が入ってないか)など

・耳:後ろに寝かせていないかどうか

・目:瞳孔の大きさや目の見開き具合(犬の場合は白目が見えていないか)など

・身体:全体の筋肉の緊張の度合い(力が入ってこわばっていないか)

・被毛:逆だっていないか

・尻尾:下がっていないか、威嚇するようにあげていないかなど

・重心:前のめりかそれともいつでも逃げられるように後ろにかかっているか

 聴覚(声)によるサイン

・他者への警戒や威嚇、オーナーや仲間への要求などの鳴き声

・食べ物や場所を守るために相手を威嚇するときの唸り声

・不安や痛み、要求や甘えたい気持ちを訴えるときのクンクンやキャンキャンといった鳴き声

 嗅覚(におい)によるサイン

・しきりに床や地面、周囲の匂いを嗅ぎまくる

・尿や糞便によるマーキングの回数や場所が増える

その他

・落ち着きがなくそわそわしてる

・ハアハアと呼吸が荒い

・体をよく掻いたり舐めたりする、皮膚炎がある

・食べ物ではないものをよくかじる

・毛艶が悪くなる

・フケが増える

・食欲が落ちる

・痩せすぎ、肥満である

・消化不良、嘔吐、下痢、便秘などの症状がある

・排泄を失敗する

・攻撃行動が見られる など

ただし、こういったサインを出すときは病気や怪我が原因の場合も多いため、必ず最初にかかりつけの動物病院に相談しましょう。

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愛犬のストレスケア

愛犬に何らかのストレスサインが見られたときは、それに対する適切なケアをしてあげる必要があります。

それには2つの方法があるのですが、まずは

 

【1】ストレスの原因を取り除く

愛犬をしっかりと観察し、過度のストレスを感じているときはその原因を取り除いてあげます。

そして犬のニーズが満たされてないようであればそれを満たしてあげます。

特に犬は活動的で社会性の高い動物なので、安全の確保、快適な環境、安心できる休息時間、健康維持はもちろんのこと、活動的になる時間や、人や仲の良い犬との交流の時間もとても大切です。

また、犬にはたくさんの犬種があり特性が違うので、それぞれの犬種がもつ能力を十分に発揮できる生活を送らせてあげることも必要。

犬種によって必要な運動量なんかも変わってきます。

【2】行動問題を予防・回避する

行動問題とは飼い主にとっての問題となる犬の行動のことで、ニーズが満たされない環境で暮らしているとストレスから行動問題を起こすことがあります。

犬の困った行動例えば、窓から見える通行人に吠える、ゴミあさりなどのいたずらなどありますが、この場合窓の外が見えなければ吠えるきっかけを回避できますので

・犬の目線の高さで目隠しをする

・窓の近くにサークルやハウスを置かない

などの予防ができます。

ゴミをあさる場合は

・ゴミ箱を犬の届かない場所に置く

・家具やサークルなどを利用してゴミ箱に近づけないようにする

犬の探索行動は本能ですからおもちゃやフード、おやつなどを隠して探させるなど、ワンちゃんが楽しめるゲームを毎日行うようにするとストレス軽減になりますよ。

この他にも副交感神経を刺激する(マッサージやパッチフラワーレメディなど使ってリラックスした状態に持っていく)などもあります。

私はお休みの日によくマッサージをやってあげるのですが、気持ちよさそうにしています。

気持ちいいんでしょう(たぶん^ - ^)

耳掃除や肉球にバームをつけてのマッサージもおすすめです。

ワンちゃんをよく観察して彼らのサインに気づいたら、ストレスケアしてあげてくださいね。

そしてできる範囲で、愛犬をもっともっと幸せにしてあげましょう。

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